札幌中心に道内の山をのんびり歩いているヤマプラです。今回は道民に大人気の登山道、尻別岳の登山道案内です。比較的短時間で登頂できる回りに障害の無い単独峰に近い山でお隣の羊蹄山を始め洞爺湖などその山頂からの眺望は絶景の一言。良く晴れた休日には駐車場から車があふれるコースですので手軽なドライブ&絶景ハイキングルートをお探しの方の一助になれば幸いです。
目次
尻別岳とは
尻別岳(しりべつだけ)は標高1107.3m、札幌から国道230号を走ると喜茂別町市街地の南西に聳える急峻な山でその山頂は真狩村、留寿都村、喜茂別町の界となっています。北海道100名山に選定されており、登山愛好者はもとよりハイキングルートとしても大人気の一座です。尻別岳の山容は見る位置によっては独立峰のように見え、羊蹄山と間違えられることも有りますが実際には南尾根山麓にルスツリゾートの遊園地となっている橇負山(そりおいやま)と山塊を成しています。↓
登山道は現在、北海道夏山ガイドに紹介されてるのは南斜面に開削された留寿都コース1か所です。他に難易度自体はそう変わらない旧喜茂別コースからも登れますが泥濘が多く利用者はわずかです。
尻別岳駐車場 案内
尻別岳の駐車場は留寿都村側に有ります。札幌から向かうと国道230号線を走り喜茂別の市街地を抜けて大きく右折して国道276号線に入ります。京極側に約4キロ進むと種苗管理センターに向かう道道257号留寿都喜茂別線とのT字路が有りますのでここを左折します。
1本道を進み突き当りのT字路を留寿都、真狩方向に曲がります。
2.5キロ進むと尻別岳登山口の看板が出ているT字路が出てきます。
砂利道に入るとせん虫防除の水溜が有ります。この道路の終点は橇負山ですが尻別岳登山口の駐車場はその手前に有ります。途中、建設業者の作業場に向かう分岐がありますがひたすら左手方向に進みます。
砂利道を3キロ程進むと広い駐車場が有ります。グーグルマップに駐車場をプロットしましたが地図に無い道で最後まで案内されないことも有りますので事前に調べておくのがオススメです。
尻別岳登山所要時間・難易度
途中、写真を撮りながら登った山行記録です。タイムは年齢、性別、体力により個人差が激しいので目安とし、余裕を持ってハイキングを楽しんで下さい。(登山日6月15日)↓
- 距離 : 8.2キロメートル
- 高低差 : 450m
- 所要時間 : 3時間37分
- 休憩 : 16分
- レベル : 初級
主なコースタイム↓
- 尻別岳登山口08:28→
- →10:15尻別岳10:36→
- →12:03尻別岳登山口
尻別岳ルート、見どころ解説
札幌から中山峠を越えて75キロ、朝8時過ぎに到着すると駐車場はほぼ満車。流石人気の登山道だ。先客多数で本日は熊スプレーは持たず鈴だけ装備して登山開始。暑くなる予報につき念のため水分は熱中症緊急用の経口補水液を含め1.5リットル装備。実際の使用は0.5リットルでした。
登山口には登山ポストが有りますので氏名、住所、連絡先、入山時間、下山予定時間を記入して入山します。
スタートは実に爽やか、ダケカンバの森に囲まれたふかふかなグリーンカーペットの登山道です。↓
コンディション良好でノーストレスのハイキングモード、あそこまで登ります。
綺麗なクジャクチョウに迎えられる登山道。
この登山道は300m置きに標識が出ていてとても目安になる。登山道から900mくらいまでは実に緩やかで楽しい。
天気がいいとなんでも良い眺めだなぁ。↓
ルスツリゾートのウェストタイガーペアリフト。ここから明るい登山道となりますが日射しが強い、木陰が少なくすっかり日焼けしてしまった。そろそろ日焼け対策の時期だなぁ。↓
900mの看板を超えると登り勾配が徐々にきつくなってくる。先ずは標高773mピークまで一気に高度を上げます。
向かいの標高994m、貫別山にもルスツリゾートのスキーコースがたくさんある。↓
尻別岳の枝脈、標高715mの橇負山山頂にもルスツリゾートのスキーコース。↓
773ピークに取り付くと一旦緩やかになり眺めも良い。有珠山が見えだしました。↓
東斜面が開けた細尾根の登山道は心地良い。
山頂を愛でる。↓
いったん50mほど高度が下がるコルに向かいます。↓
西側の木陰から羊蹄山が見えだしました。本日はご機嫌でお楽しみはこれからだ。↓
コルから山頂を望む、ここからがこの登山道の難所、急勾配が続きます。標高差は384m、ここからの1時間ががんばりどころ。↓
2400/3250の標識、後1キロを切って励みになるがまだ道は険しい。
滑りそうな長くザレた急勾配も多く、ロープを利用して慎重に進みます。↓
2700/3250の看板、もう少しで緩くなる。
山頂まであと500m、頂稜に取り付くと勾配も緩くなり一息つける。まだ15分程登りは続くがこの後はそう急勾配ではない。
3000/3250の看板、山頂はもうすぐだ。
ラス登!↓
尻別岳の山頂。尻別岳はふかふかの芝生に腰を下ろしてゆっくりできる広い山頂広場を持っているため団体客も多い。↓
標高1107.3m、北海道百名山尻別岳登頂。↓
二等三角点「後別岳」↓
虫が多い山頂なのでゆっくりするには虫よけが有ると便利です。↓
先ずは羊蹄山がドン、ここから見る羊蹄山も美しくまさしく羊蹄山の展望台。↓
遠望は効かないが札幌の山々も見えている。のんびり座って山座同定を楽しみます。
左ピークが無意根山、ここからだと中岳は一直線上で無意根と同化してしまっている。中央に並河山、喜茂別岳、写真右の小ピークが小喜茂別岳。↓
徳峻別岳とホロホロ山、オロフレ山はお帽子か、下山ルート中でも狙おう。
しばし眺めを楽しんで下山開始。下山路も眺めが良いのでゆっくり帰ろう。
右手に細尾根の登山道と東斜面の新緑を眺める。↓
道中から時折見える羊蹄山もまた格別。↓
洞爺湖の奥に有珠山も見えている。霞が取れすっきりと晴れれば噴火湾越しに駒ケ岳まで見える角度です。
洞爺湖と有珠山にズーム。↓
ザ・ウィンザーホテル洞爺↓
やっと徳峻別山とホロホロ山の双耳峰が見えた。
ズーム。
オロフレ山も見えてきた。
ズーム。↓
休日の楽しいハイキングでした。
路肩まで車があふれていてすごい人気だ。バスで来てる団体客もいました。
天気が良くてドライブもいいなぁ。
尻別岳 春の花解説
今回、登山道で見かけた花を最後にまとめておきます。尻別岳のお花同定の一助になれば幸いです。(撮影日6月15日)
- エゾノハクサンイチゲ(キンポウゲ科)
- 15~40㎝の多年草
- 6~8月に白い花で群生
- 花びらは5~7枚で葉はギサギザ
エゾノハクサンイチゲは散見されますが白い花が多いので良く観察しないと見逃すかもしれません。
- マイズルソウ(ユいリ科)
- 10~25㎝の多年草
- 5~7月に白い花
- 地下茎により群生、2枚のハート型の葉が交互につく
マイズルソウは山腹で散見されました。
- コンロンソウ(アブラナ科)
- 高さ40~70㎝の多年草
- 5~6月に白い花
- 花びらは4枚葉は尖っている。
コンロンソウは登山序盤に群生を確認できました。
- クルマバソウ(アカネ科)
- 高さ20~40㎝の多年草
- 5~7月に白い花
- 葉が6~10枚で輪生するのが特徴で花が無くとも同定できる。
- 花冠は4裂し2~3mmの小さい花
咲いているものは少なかったが群生しておりピークはこれからでしょう。
- ヒメイチゲ(キンポウゲ科)
- 5~15㎝の多年草
- 5~7月に白い花
- 花びらは5枚が多く1㎝ほどで葉は細く尖っている
小さな白い花が道中に散見されました。今回は調べ切れずヒメイチゲと同定しましたが葉容が一般的なヒメイチゲと異なり丸みを帯びていました。
- タニウツギ(スイカズラ科)
- 1~1.5mの低木
- 5~6月な桃色の花
- 花はラッパ状
山腹に数本自生しており、道中で目を楽しませてくれます。
- ハクサンチドリ(ラン科)
- 3~10㎝の多年草
- 6~7月に赤紫色の花
ハクサンチドリも数輪自生していましたが珍しい真っ白いハクサンチドリも1凛山頂直下にいました。
- チシマフウロ(フウロソウ科)
- 20~50㎝の多年草
- 6~8月に青紫色の花
- 花びらは5枚
この時期序盤から山頂にかけて目を楽しませてくれるのがチシマフウロ。一生懸命登っているだけだと疲れるので色や形の良いものを探して写真を撮りながら登るのも楽しいものです。(写真を撮るフリをして休むは登山あるある)
- コキンバイ(バラ科)
- 15㎝程度の多年草
- 5~6月に黄色い花
- 花弁は5枚、茎頂に2㎝程度の花が1~3個つく
凛数は少ないがコキンバイも確認できました。
- ゼンテイカ(ユリ科)
- 50~70㎝になる多年草
- 6~8月に黄色い花
- 朝開花して、夕方閉じる
ユリ科特有のうつむき加減も黄色くて大きなお花が個人的に気に入りました。凛数は少ないが花が大きくて目立ちます。
- ハナニガナ(キク科)
- 40~70㎝になる多年草
- 4~7月に黄色い花
- 茎の上部で枝分かれし多数の頭花をつける
- シロバナニガナ(キク科)
- 40~70㎝になる多年草
- 4~7月に白い花
- ハナニガナはシロバナニガナの花が黄色いもの
ハナニガナとシロバナニガナは混在して路傍に多数群生しています。
- エゾヘビイチゴ(バラ科)
- 5~10㎝の多年草
- 6~7月に白い花
- 花びらは5枚,葉容は卵型で粗い鋸歯がある。
- シラネアオイ(シラネアオイ科)
- 20~50㎝の多年草
- 5~7月に薄紫色の花
- 地下茎で群生、花びらは4枚
山頂直下に居たシラネアオイは最後の1凛、流石にもう弱っています。
他の北海道百名山、登山記はこちらから↓
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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