札幌中心に道内の山をのんびり歩いているヤマプラです。今回は夕張山地で大人気の登山道、ロープウェーを利用して時間短縮した初級者向けの富良野西岳の登山ルート案内&見どころ解説です。標高1331.1mを誇る富良野西岳の標準登山時間は山麓からだと6時間を超える中級レベルの登山道ですが夏季営業をやっているロープウェーを利用すれば一気に半分程度の登山道となり、初級者にも大人気の登山道となります。手軽なまだ未踏の名山、名コースを探訪したい方の一助になれば幸いです。
目次
- 富良野西岳とは
- 富良野西岳登山 駐車場案内
- 富良野西岳 山頂駅コース所要時間・難易度
- 富良野西岳ロープウェー&絶景の雲海テラス
- 富良野西岳登山コース&見所解説
- 富良野西岳下山で発見 10月にスミレの返り咲き
富良野西岳とは
富良野西岳は標高1331.1m、夕張山地の北部、北の峰と呼ばれる富良野スキー場を持つ山の隣に位置しており北海道100名山に選定されています。夏山登山はスキー場コース、沢コースの2つの登山コースを持っています。他に富良野プリンスホテル側から登る北の峰散策コースも有ります。↓
いずれも登山時間がかかり、熊遭遇リスクも高いことから中級者向けで人気の登山道とは言い難いですが富良野ロープウェーの夏季営業を利用すれば、スキー場コースの前半1時間30分を省略でき一気に難易度低下、初級者向けの人気ルートとなり、筆者が登山した日に行われていた富良野西岳登山会の西岳コースも多くの人で賑わっていました。ブログを見て山に登ってみたいが一人では熊が怖い、体力的に初級者レベルと言う方はこの登山会への参加がオススメです。富良野山岳会のメンバーが案内する西岳コースは初心者大歓迎、参加料がかかりますがロープウェー代込みなのでソロでロープウェーに乗るより安く済みます。山名由来は文字通り富良野市の西側にあることに因るものでしょう。
富良野西岳登山 駐車場案内
先ずはロープウェー利用を前提とした登山計画となりますのでロープウェーの夏営業日と運行時間を富良野スキー場公式サイトにて確認となります。ロープウェー自体が観光地ですので営業開始をわくわくと楽しみに待っている間も良い心地でした。富良野市の道道985号に入りロープウェーの看板から富良野ロープウェーに向かいます。↓
今回利用した富良野西岳の駐車場は富良野ロープウェーの駐車場です。ロープウェーを利用する観光客と同様に登山者もこの駐車場を利用します。↓
初めての方は下のグーグルマップか「富良野ロープウェー山麓駅 ルート検索」でご確認下さい。新富良野プリンスホテルの前を通過したロープウェー山麓駅の前に広い駐車場が2か所用意されています。公共交通手段はふらのバス、JR根室本線富良野駅から「快速ラベンダー号」で新富良野プリンスホテルへ。同じく、ふらのバスの路線便、富良野駅から御稜線に乗り「4線」下車し富良野ロープウェーまで徒歩約20分。いずれも便数が限られているので最新の公式サイトでご確認下さい。
富良野西岳 山頂駅コース所要時間・難易度
北海道夏山ガイドから算出した本ルートの標準タイムは登り2時間、下り1時間30分となりますが年齢、性別、体力、気候により個人差が激しいので目安とし、余裕を持ってハイキングを楽しんで下さい。(登山日10月7日)↓
- 距離 : 8.6キロメートル
- 高低差 : 440m
- 所要時間 : 3時間00分
- 休憩 : 8分
- レベル : 初級
主なコースタイム↓
- 富良野ロープウェー山頂駅(標高892m)08:08→
- →8:36北の峰(標高1079m)8:38→
- →9:37富良野西岳(標高1330m)9:42→
- →10:37北の峰(標高1079m)10:38→
- →11:08富良野ロープウェー山頂駅(標高892m)
富良野西岳ロープウェー&絶景の雲海テラス
札幌から約2時間30分、富良野までのドライブ。8時前に到着し登山準備をして山麓駅の券売り場へ。先ずは2800円の往復券を購入。↓
次に時刻表を確認、朝7:00から1時間に3本か、他に山頂駅の前にドックランが有って犬専用便ってのもありました。
8:00出発の登山会の方々とご一緒の空中遊泳、101人乗りのロープウェーが込み合う大人気の登山会だ。先頭に陣取り定刻に出発、ヒャッホー!↓
左に富良野西岳、右手が夕張山地の北端、北の峰。スキー場は北の峰に有るのか。富良野西岳の山麓は色づく広葉樹が少な目とのことでした。
ロープウェーの横にスキー場コースの登山道が見える。ロープウェーが営業していないと下を歩くしかないが本日は貴重な営業日を狙った一登、距離2300m、高度差550mを一気に稼ぎ、さくっと登ってさくっと下山、富良野で美味しい物を食べて帰ろう。↓
5分程で山頂駅へ。
山頂駅は屋上にパノラマデッキ900と言う展望テラスが有ります。ここからの絶景も観光客に大人気ですので登山者も立ち寄って見るのもいいでしょう。
タイミングが合えば見事な雲海十勝連峰が見られます。良く晴れた日に市街地に朝もやがかかっているタイミングでロープウェーに乗ると上の方はガスがとれ雲海を見ることができます。(撮影日10月12日7:30分)↓
写真中央のピークが主峰、十勝岳。↓
富良野西岳登山コース&見所解説
山頂駅の入口に登山届が有ります。記帳してスタート。
山頂駅を出て左手にリフト乗り場が有ります。登山口は右手ですが帰りに利用することにしてショートカットできるリフト横のスキーコースに有る踏み跡ルートをたどります。手持ちのGPSでは標高892mからのスタート。
距離は短いが急傾斜のスキー場を一直線に一気に登るのは苦しい。秋のベスト登山シーズンだがオープニングから汗が出てきた。あの上までがんばろう。
苦しいスキー場ルートを登り続けます、ロープウェーのついでにリフトも営業してくれればいいのに。(このルートを利用した人あるある)振り返ると表大雪と十勝岳連峰がドーン、キャー↓
表大雪↓。
孤高の名峰トムラウシ山から十勝岳連峰。↓
スキーコースの終わり、上が見えてきた。↓
20分程の苦登を終えてリフト降り場に到着。手持ちのGPSで高度1067m、180m程高度を稼いだようだが夏場にスキー場を一気登りすると息が切れるなぁ。
表大雪、十勝岳連峰に加え日高山脈も見えている。↓
表大雪の北側には前天塩岳と天塩岳、ここからだと双耳峰に見える。↓
では登山道へ進みます。
スタートから30分、GPS上では北の峰に到着しているが特に何が有るという訳ではなくよくわからなかった。登山道は北の峰ピークをトラバースして開削されている。↓
標高1100m付近の細尾根歩きが続きます。多少のアップダウンは有るがこの辺はめっちゃ快適なルートが続きます。ダケカンバ、アカエゾマツ等針広葉混在の森です。↓
山頂がはっきり見えてきた。右隣の1237mピークはトラバースしてコルから一気に登るのか。楽勝モードに突入だ。山頂付近は葉が落ちているが中腹には黄葉が多い。↓
見返り北の峰。↓
天気もまずまず。↓
コルに着くと沢になっている。小さな渡渉で気にする程では無い。
沢からの取付はめっちゃ急で梯子登りです。↓
スタートから1時間7分、梯子登りの後からは20分ほどがんばって一気に高度を150m稼ぎます。それは良いとしてこの先のルートはかなりの泥濘が続き滑りやすい。下山の時には転ば無いようにと緊張した。こんなどろどろで尻もち着いたらかっちょ悪くてロープウェーに乗れないし絶対嫌だ。不安な方はズボンの着替えを持参するといいかも。
ジグを切った苦しい急登を終え頂稜に出ると綺麗なアカエゾマツが自生していて天然の日本庭園になっていた。ここから山頂まではお散歩モードだ。
山頂ロックオン、富良野西岳の特徴的な白色岩のピークです。↓
標高1331.1m、北海道100名山富良野西岳登頂。
富良野西岳の一等三角点「下富良野」、標高1330.88m↓。
南側にお隣の布部岳(標高1338m)、写真中央が北海道100名山、標高1726m芦別岳。ここから見る芦別岳は迫力あるなぁ。
富良野市の市街地と十勝岳連峰。↓
十勝岳連峰にズーム。↓
左に表大雪孤高の名峰トムラウシ山、その右にオプタテシケ山から美瑛岳へと続く稜線。↓
中央に主峰、十勝岳。右手にの上ホロカメットク山と富良野岳が連なる稜線。↓
大雪山連峰。↓
途中で撮った写真を使用してできる眺望の山座同定はしておきます。表大雪の名峰がづらりと見えます。左に愛別岳、中央に大雪山の主峰主峰旭岳、右手に白雲岳、小泉岳、赤岳と続く表大雪の稜線。↓
では下山。
富良野西岳下山で発見 10月にスミレの返り咲き
色づく中腹を見ながら下山を開始します。
来た道を1時間程戻り再びスキーリフト降り場に。右手に下ると登りですかったスキーコースのルートです。
下りでは下御料に向か左手のルートを使用することにしました。
やや遠回りだが緩やかな部分も多くアップダウンが有って散策自体はこっちの方が楽しそうだ。
下御料と富良野ロープウェー乗り場の分岐、ここは右に回ります。
登山道でおやっと見ると、なんとタチツボスミレ。春先に咲くスミレが10月中旬に咲いている。へぇ~、珍しいこともあるもんだと調べてみるとこれが本当の返り咲き、春に一度咲いた花が10月に再び咲くこともあるそうだ。↓
いいもの見れたと本日最後の山行、かなりの急勾配が出てきた。
本日はめっちゃ滑るのでグローブを付けてチェーンを利用して慎重に下山。↓
こっちの登山口には熊嫌鈴が付いてました。
下山してキンキンに冷えたドリンクがすぐに購入できてこれはいいなぁ。
帰りもロープウェー、紅葉を眺めながら楽々。↓
ロープウェー利用は富良野の短い夏、秋限定ですがわざわざこの時期を狙う価値のある手軽に表大雪や十勝連峰の絶景を楽しめるいいお山でした。観光がてら、又来ることにしよう。本日も安全登山、お疲れさまでした。
他の北海道百名山、登山記はこちらから↓
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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